2014-05-31

we're just two lost solus swimming in a fish bowl, year after year




こんなに時間が経っても教えてくれた事をまだ全部わかってないと思う時、心の底から寂しいと思う。お酒の力を借りてあなたに話し掛ける時、どれだけ自分は弱いのだろうと感じる。そばに居ると感じる時、あの頃は未熟だったと後悔する。何気ない時間の記憶が凝縮されていると思う時、どんどん離れてしまうようで怖くなる。でも私は絶対にあなたを否定しない。

2014-05-30

warm winter music - Grzegorz Bojanek (twin springs tapes)

タイトルがだいぶ季節外れですが。
ポーランドのアーティストGrzegorz Bojanekさまの作品、cricaシリーズでのリリースが素晴らしかったMatthew Barlowさまのレーベルtwin springs tapesからです。ちなみにカセットは25部限定。

タイトルの通り、ヨーロッパは今年の冬は暖かかったそうで(それでも彼が2週間過ごした場所は0℃ていう)、そんな冬を記憶する為に生まれた作品だそうです。


両面共20分程の1曲ずつ。
A面は紙に何かをかくノイズで始まり、ギターの音を中心にピアニカのような音や何かしゅーしゅー鳴っている音、色んな細かいノイズが絡まっていたり、それが幻想的なフィルターがかかっていて、ひとつひとつの音に色んな細工が施されています。雪が太陽の光を反射しているように、粒がきらきらしていて、でも空気はキーンと冷たくて。そういう冬の光景を見事に表しています。
B面は少しダーク。フィールドレコーディングの音が舞う中で低音が冬の曇り空を表しているような。鳥好きとしては、背後で聴こえる鳥の声が胸きゅんポイントです。後半に進むにつれ、温度が上がり光を帯びていく展開がとても素晴らしい。

長めの曲ですが、じわじわと進むドラマチックな展開がとても素敵です。

カセット、CDR共にsold outですが、デジタルで購入可能です。日本はもう夏目前ですが、とても素敵な作品ですし、ここのレーベルも素敵な作品ばかりですので、ぜひ!

2014-05-24

sic sic tapes japan tour in Kyoto UrBANGUILD 23052014

何か月も楽しみに待ってたsic sic tapesの来日ツアーに行ってきました!

ポールさんことformer selves からスタート。
ステージに正座して機材を丁寧に鳴らしていて、激甘ロマンチックで美しい音でした。シンセの音を展開させていくのですが、作品で聴くよりも更に甘さたっぷりでその反復がもっと大きく広がっていて、聴いていて感動して途中は泣きました。美しさと繊細さのメロディーがもう胸にずんずん迫ってきて。最後の"watercourse way"は、よりメロディーが変化していって、光が差してきらきらしてました。前日の神戸でギターのペダルが壊れてしまったらしく、ダニエルさんのを借りて乗り切ったそうです。

次は江南奏佐さん。即興ピアノ。
途中でスケールの演奏がどんどん加速していって、じゃばらみたいに音がうねっていて。面白かったです。ポールさんと一緒に座って観てたんですが、指がすごく動いてた笑

3番目はsic sicのオーナー、ダニエルさんことHering und seine Sachen
この人がとにかく面白い!カセットを色々鳴らして、それをループさせたりしてふよふよするんですけど、どんどん音に吸い込まれてしまう不思議な魅力があって。で、色んな音を鳴らしたまま、それぞれ違う音が鳴っているプレイヤーを4つ持ってステージを降りて、それをテーブルに置き始めて。あ!違う音が鳴ってる!とそれぞれに耳を当てて、ステージで鳴らされている音とミックスして聴くとまた変な世界が出来て、うわーって思っていると終わりました。

最後はsleeplandさん。やっとお会いできました~!
最初はカリンバを鳴らして静寂の中で色んな細かいノイズを出したり、そしてギターを持って少しずつ少しずつ音を伸ばしていって。静けさの中から音を紡いでいくような演奏が素敵でした。また機会があれば演奏を観たいです。


実際に会う前から少しポールさんとはやり取りしていて(京都に着いたらmeditationsさん絶対行くべきだよ!と言ったら、すごく楽しみにしていたみたい)、「もしかしてみゆき!?」「みゆきだよー!」と会場できゃあきゃあしました。作品のように繊細でかわいらしくて本当にとても素敵な方でした。アメリカより日本の方が最高だよって。色々とお話をしたんですが、とても大好きですという気持ちを伝えることが出来て感無量です。それとポールさん廃墟が好きらしく、長崎に最近まで住んでたと言うと「端島って行った事ある?どんな感じ?!福岡行った時にぜひ行きたかったけど、遠くて諦めたんだよね」と、熱烈に端島の事を聞かれました。

ダニエルさんは変な人オーラ全開のライブだったけど、人柄はとても誠実な方で、「あそこで鳴らしてたカセットすごく好き」と言ったら、何と帰り際に「あげる、お気に入りって言ってたでしょ」と、ツアーまだ残ってるのに自前ループ作品のカセットを頂きましたよ!感激。

本当に楽しい時間でした。先日twitterで、福岡の方から「みゆきさんがそこまで言うからと思って行ったら、すごく良かった!」て言葉をいただくカセット女子として嬉しい事があって、少しずつでいいから広がっていって、ポールさんやダニエルさんや、他にも素敵な作品を発表している方たちが日本に来て色んな人の耳に届くといいなーって思いました。

2014-05-23

Lucinda's river - Sylvia Monnier (seconds records)

おなじみリヨンのミカさんところseconds recordsの8番目のリリース。ミカさんのソロ名義、Sylvia Monnierです。今回は透明な青いフィルムなJカード。相変わらずきれいな装丁です。



今回は、少し透明感があるんだけど、音数が少ない分ちょっとホラーな感じがあるというか。暗い部屋の中でじっとホラー映画を観ている時のようなジトジト恐怖な部分が出ています。細かな電子音が背後で小さく鳴っているので、それが余計に見えない何かを醸し出しています。

怖い怖いと言ってますが、こういうダークな部分を色んな表情で表すミカさんのこの名義が私は大好きで、シンセの音の組み合わせが映画を観ているような感じだし、この作品もまたとても広がりのある世界ですごく素敵です。

今年もseconds recordsは精力的。次のリリースもオーダー開始になっています!sic sicでもリリースしたdeep catalogueです。先日ミカさんに注文のメールをしたら、「今回のはギフトで送るからね~!」と。嬉しい。本当にありがとう!なので、日本のどなたか彼らの作品にグッときましたらぜひ注文してくださいね。

ちなみに短いけどお二人のライブ映像。左で機材いじいじしているのがミカさんです。

2014-05-21

it is, it isn't - Chihei Hatakeyama + Hakobune (white paddy mountain)

日本のドローン界のスーパースターのお二人の初コラボ作品が、地平さん主催のレーベルwhite paddy mountainよりリリースされました!この作品とても心待ちにしてたのです♡

20分を超える長尺の曲が3曲。めくるめく揺らぎの快楽の波が押し寄せる、どこまでも気持ちよい作品です。初めて聴いた時は感動して身動き取れませんでした。

音楽を聴いている時の時間の波って色んな形がありますが、この作品では最初は横にするすると伸びていき、そして目の前をカーテンが舞うようにひらひらと広がっていきます、その中では小石が柔らかく川に洗われていたり、植物が静かに太陽の光で温められていたり、愛する人がやさしく手を握ってくれていたり、様々なやわらかい眼差しを含んだ瞬間が込められていて。

ギターの音がどんどんと波を増幅させて大きくゆったりと波紋を広げていく、色んな表情を飲み込み、光を取り込み、更に恍惚への奥へ進んで広がっていく様子を見つめていると、自分自身もどこか光の差す方へと進んだような心地よさと感動があります。

改めてお二人の素晴らしさに尊敬と感謝の気持ちを抱きました。

レーベルへの直接の注文だとボーナストラックが入った特典CDRが付いてきますよ!


2014-05-18

terminus - Nobuto Suda (stereoscenic)

だいすきで尊敬しているNobuto Sudaさまの新しいリリースです!えめらずの地元クリーヴランドのレーベルstereoscenicからのリリース。写真のような素敵な版画のスリーブに入って届きました。オーナーさまからはthank youメッセージが。もったいなくて全部そのまま保存しています。



前作の"transitoriness"では、水面できらめく光の一瞬を閉じ込めたような世界観だったのですが、この作品はより長尺で、時間の緩みがもたらす心地よさを表現したような、ゆったりした進み方、よりドローンに接近した作風、それが本当に心地よいんです。

須田さんの音って、いつも光を含んだ希望のようなものを感じるのだけど、今回の作品ではそれを静かに肯定するような威厳を感じます。広い海で波を湛える感じ。本当に素敵。

フィジカルは、レーベルに直接の注文か、meditationsさんでも取扱いあります!とても素敵な作品なので、たくさんの方の耳に届いてほしいです。ぜひ!

2014-05-17

silly putty - Sylvia Monnier (honneur de la police)

リヨンのミカさんことSylvia Monnierさまの作品。ベルギーで新しくスタートしたレーベルhonneur de la policeからのリリースです。



ミカさんといえば地下で響き渡るダークな世界観ですが、この作品は宇宙船がゆっくりと動いているような、どこまでも響いていくような広がりがあります。今までの少し湿気を含んだ暗さというより、静かでひんやりとした暗さ。あと、やっぱり映画音楽みたいな音の配置。B面は音数が増えて、より色んな表情が出てきます。宇宙船の操縦室で演奏しているみたい。ちょっと凄味を感じられるぐらいの音の行進、すごくかっこいいです。

カセットはレーベルに直接注文か、tomentosaでも取扱いがあります

作品ごとに色んな表情を感じられるミカさんの音、やっぱり好き!

in-vis-o - deep catalogue (sic sic tapes)

おなじみドイツのレーベルsic sicから、リヨンのミカさんSylvia MonnierさまとGulliaume EymenierさまのユニットDeep Catalogueの作品。masterd by Giuseppe Ielasiです!わーお:)

popol vuhをベーチャンがremixしたような・・・という言葉の通り、奇妙なゆがみのある電子音が広がっていたり、地下から吹き上げる風のようなシンセが広がっていたり、ドラマチックな展開でグッと聴き込んでしまう瞬間があり、とても素敵な作品です。B面のいちばん最後の曲が好きだなー。奥行がある世界観で素晴らしいです。ミカさんの地下ダークな空気に、さわやかな風を送り込んだような、少し光が差しているところが面白いです。

ところで、ジェリーさんことJerry Paperさまが現在ヨーロッパを回っているんですが、リヨンではdeep catalogueのお二人も一緒に出演するみたい。わくわくする繋がり!



日本ではS.O.L soundさんで購入できます

そして!sic sic tapesといえば、いよいよjapan tourが始まります!

レーベルオーナーのダニエルさん、激甘ニストのFormer Selvesさまことポールさんが全国を回りますので、日本のカセットリスナーの方々はぜひ行くべきかと。わたしは京都のライブに行きます!ちなみにポールさん今回のツアー限定のCDRを準備しているそうですよ。

volume six - Brandon Hurtado (Richmond Tape Club)


リッチモンドの素敵アンビエント男子ぶらんどん君こと、Brandon Hurtadoさまが地元レーベルからリリースしたカセットです。とてもきれいなカセット!ここのレーベルはリッチモンドのアーティスト達をピックアップし、地元メディアRVAと共にRVA Noise Festを開催するなど面白い活動をしています。

この作品は共に2曲ずつ。ぶらんどん君らしいきらきらふんわりした空気は抑えめで、ギターの音を全面に出した少しダークな色を帯びたアンビエントです。中でも面白いのは、A面2曲目の"soldering iron"の、日本のAMラジオ音源のサンプリング。お天気情報の「今日は良い天気となりそうですね」「そうですね」みたいな掛け合いが聞こえます。これ、どこから録音したんだろう?(機会があれば彼に聞いてみます) B面は、低音の幽玄な使い方が響くアンビエントでドローン。夕方の日差しのような光のカーテンが揺れているような、彼らしい空気も感じられます。


ちなみにこれは去年のライブ映像。アメリカの若者っぽい~。




2014-05-12

lost and found



先日は大阪へmodern loveのショーケースに行ってきました。

Andy StottとDemdike Stare なんだけど、人がいっぱいで誰が誰なのかよくわからないまま、しかし音はむちゃくちゃかっこよくて、えぐい展開に感激しました。(後から聞くと、demdike stare→Andy Stott→MilesのDJという展開だったみたい)

爆音で鳴らされるべき音楽は、それなりの音量と音圧で聴かないと、体に響いてこないんだな、と改めて感じました。あと、半分ガンギマリ半分しらふの2重人格状態で楽しむのがいちばん楽しい。

***

実は数日前に京都へ引っ越しました。

だいぶ前から決めていたし理由も色々とあるんですが、10年ほど住んだ長崎を離れるのはやっぱり寂しい。20代のいちばん楽しい時間を過ごした、思い出もだいすきな人もたくさんいる場所だから尚更です。

今の自分がこうやってあるのも、長崎で出会ってお世話になった方々が成長させてくれたからこそだと、本当に幸せ者だったなと、離れて実感しています。

また近いうちに九州に帰って存分に長崎弁でしゃべりたいです。

とにかく今は部屋に山積みの荷物をどうにかしないと・・・


2014-05-02

meet me in montoak




すごく久しぶりにmix作りました!

"meet me in montoak"は大好きな映画"eternal sunshine of the spotless mind"のセリフ。記憶は良くも悪くも、時間が経てば凝縮され美しい形になります。あの時に過ごした素晴らしい瞬間はもう取り戻せないけど、今の自分のどこかを形成していて、そして人をつなぐ鎖となっている。もし、これから会えない人がいたとしても、過去に過ごした時間は消えないし、寂しさはあってもお互いの中にちゃんと存在していると思えば、記憶のあたたかみが感じられる。

まあ、記憶から抹消したい人も中にはいますが、何かの糧にはなってるだろうと。

今年は頑張ってまた色々作っていきたいですが、どうなるかなー。