2013-02-28

watching the prescribed burn - hakobune (pure wave recordings)


生まれてから一度も「雨」を体験したことがない男がいました。

彼の「渇き」は様々な雨の恵みを奪い荒れ果てた砂漠を広げていくばかりでした。

それでも彼は自分の呪われた運命に抗うように植物学者となり、

いまだ見たことのない雨を求めて、

たくさんの国を自分の足で歩いてきました。

蒸したジャングルに行っても、晴れ間が一度も見えない山奥に行っても、

やはり彼の頭の上に雨が降ることはありませんでした。

ある時、研究のために山小屋でひとり過ごしていたら、

大きな山火事が襲いました。

ばちばちと燃える木々の中で逃げながら彼はひたすら雨が降ることを祈ります。

太陽が沈み空が暗くなってもうダメかと諦めかけた時、

彼の頭の上から雨の滴がぽたぽた降り落ち、そしシャワーのように降り注ぎ、火が消えました。

焼け野原から空を見上げると満点の星空が見え、

ずっとひとりで苦しんできた呪いから解放された彼は、

いつまでもいつまでも夜の空を眺めていました。


山から降りた彼の眼は光を失い、

暗闇で見えるのはあの時の燃え盛る炎の色、

自分の体を濡らしてゆく雨の色、

初めて自分の眼で見た、雨上がりの太陽の色。


2013-02-17

at Lyon



Sunny Dunes live at Lyon, 13.02.2013

pls check out!!

2013-02-15

Indication 01, 02 and 03 - Nobuto Suda (Indication Records)


京都のドローン作家Nobuto SudaさまによるレーベルIndication Records。これまで3つの作品がリリースされています。それぞれ違うコンセプトで作られていて、どれもが極上のアンビエントドローン。100枚限定のCDR作品です。

01.Lonely voice in the bottom of the head は、宮沢賢治の書簡集にインスパイアされて制作されたもの。雪が降りそうな曇り空からうっすらと光を見るような浮遊感と、冷たい空気が染み込んでくるような透明感に包まれて、体が真っ白に塗られていくよう。ゆんわりと漂う音にどんどん吸い込まれて、空に溶け込んでいきそうな気持ちになります。

02.Blurred は、テープループとアコースティック楽器が溶け合ったアンビエント。石を洗う音が使われているそうです。カセット独特の高音が削られた質感、少しくぐもったフィルターがかかっていたり、ギターが心地よく鳴っていたり、そこにたくさん込められている音の数々。それぞれが美しく合わさっていて、静かに、心地よく、音のドームに包まれます。

03. Scenes of oblivion and quiet は、”音を正確に聴きとれることの内にリスニングの不自由さを感じ、音の情報量を減らすことでリスニングをストレスから解放すること”を目的に制作されたもの。とても細かく刻まれた素材がコラージュされて微妙に揺れて、吹雪の中で音を聴いているような、でも温かさが感じられて、心地よくもふしぎな波が揺れていきます。

どれも制作の解説を見ると、原型を留めてないのでは?と思う、素材を繊細に重ねて重ねて、作られているみたいです。どれも本当に素敵な作品です。家の中はもちろん、今みたいな冬の時期、朝に景色を見ながら聴くと、うっとりします。実験的だけど感動します。たくさんの方の耳に触れてほしい音です。

国内では、ART ROCK NO.1さんmeditationsさんArt into lifeさんが取り扱いされています!


2013-02-13

outdoor tumbling


祝!グラミー!いぇっふー!

最近のこと、

前に書いたSunny Dunesさまのカセットのこと、日本語なのに読んでいてくださってて(嬉しいすぎる)、Mikaさんが「みゆき!fbにupしたよ!ありがとう!」ってお知らせしてくれました:)) Mikaさんたくさんありがとうbig loveです。

それと、少し前に私がたまにテンションあがると上り坂をでんぐり返しするってtweetで盛り上がったのですが(で、月曜日に家で二日酔いでやったら気持ち悪くなった) dirty dirtさんも路上でんぐり返しをされて「レコード割れたかも・・・」と書かれていて、ぎゃいーーーーん!ってすごく申し訳なく罪悪感で悶絶した、でも割れてなかったし気持ちよいと共感してくださって、嬉しかったです。もっと広がれでんぐり返しの輪!

あと嬉しいものもいただきました。

カセットのことを聞かれたり、ドローンって何なの?と聞かれて「音がずっと続きます」とアホな答えしかできずにひとり落ち込んだり、

でもそろそろ新しいmixを作ろうと思います。冬の寒いやつ。極力引きこもりして。

o.o - Pleq & hakobune (murmurrecords)


ずっと楽しみに待っていたPleqさまhakobuneさまのアルバムがリリースされました!

眠る前に聴いてふんわりしています。

ゆっくりと日が昇るのを見つめていく時の繊細な空気の震えや、少しずつ枝を伸ばしながら水が氷になっていく光景や、白い糸が青い糸が暗闇で光の中で無数に広がり絡まっていくような、

そして、体の中に真っ白の波があたたかく・冷たく 大きくザーンザーンって流れてゆく、

自分の中にある見えない何かが大きな広い波で洗い流されていく、

音が止まると、とても美しい景色が広がっている。

無数に散りばめられたパルス音や震えるようなノイズが、遠くに見える吹雪の音がするドローンとぴったり重なり、極地にある青い氷のような色がいくつも重なっているのが見えます。少しずつ、少しずつ、川の水が増えていくように、音が流れて進んでいく、静かだけどエモーショナルな、そんな内容です。本当にとても素敵なので、「最近どんなの聴いてるの?」て聞かれたら、この作品をおすすめしようと思っている。

装丁もぴったりな感じで。

私は音楽を聴いてもぼんやりと色しか見えないけど、この作品はたくさんの景色がいっぱい浮かびました、今日も寄り添って眠ります。

2013-02-12

just to feel anything


もう1か月ぐらい前になりますが、解散したんですよね、Emeralds・・・

今でも考えると淋しさいっぱいでじわじわ涙が出ます、

もやもやすることもいっぱいある、

(ていうか直接えめらるずのことを話せる人がいなくて悲しさのどんどん膨らんでゆくw)

でも、売れっ子の3人をこれから先も追っかけるのです。それに私はえめらるず初期の音源ほとんど持ってない。だからdiscogsとにらめっこしながら収集します。この3人がいなければ(まー君の影響が絶大なのはもちろん) 私は今みたいな気持ちで音楽を聴いてなかったかもしれない。だからとても勝手だけれど本当に本当に、感謝の気持ちでいっぱい。とても大きな存在だったです。

Hanson Recordsから届いたカセットは家宝にします。

さようならありがとう大好き愛してるえめらるず。


ぎゃーん!やっぱり寂しい!!!

Time - Thaniel Ion Lee (吟醸派Ginjoha)


インディアナ州のスピリチュアル画家、タニエル・リーの美しきアンビエント・ドローン。神聖な時間軸は、世界の背後から待ちうけ、そして美しいアンビエント・ドローンと共にゆっくり湾曲していきます。限定75本カセット。

山梨発の大好きなレーベル「吟醸派」(名前が最高)からリリースされたタニエルしゃんのこのテープ。

神秘的でひんやりとした音がいっぱいに広がり、とても美しい、素晴らしい内容です。うっとりするドローン。最近よくシンギングボウルの音を聴きながら、瞑想みたいなことをするのが好きで、このテープはそういうシンプルで静かな世界観に通じるものがあるように感じています。このアートワークはタニエルさんが描かれたものでしょうか。めっちゃ好き。

とてもおすすめ。(吟醸派の作品はどれもおすすめです!)meditationsさんやS.O.L.soundさんなどで買えます◎



タニエルしゃんのドローイング。うっとり。

ライブも

2013-02-08

Emma's Tape - Sunny Dunes (second records)

ようやく新しいPC届いたので久しぶりに書きます。
(PCぶっ壊れるし、まー君が脱退してからEmeralds解散してしまうし、The Mars Voltaも解散してしまうしで、そしてPC無し生活の最中にfoxy digitalが・・・って感じで、とにかく1月中旬から心が散り散りになっていた・・・)

まさにEmeraldsが解散してしまい、泣きながら帰ってきた早朝にフランスから届いたこの黄色黄色したカセットは、second recordsという新しく始まったレーベルの1番目のリリース。32本限定ですでにsold outしてます。これだけ本数少ないと買った人たちに会ってみたい気になります。日本で買った人はいますか??

私は、たまたまこのリリースをtumblrで知ってひとめぼれして即ポチ。Sunny Dunesさん、私は恥ずかしながら勉強不足で知らなかったのだけど、他にもグッとくるリリースを重ねている方。いくつか名義があるみたい。vinylも切るって書いてるし、このレーベルはこれからも追っていきたいなと思ってます。

内容は、フィールドレコーディングの素材を重ねながらもシンセが太くうなりながら上昇していく、コズミックさが面となって広がってゆく、とても壮大な広がりを持つ世界で。それをカセットで聴くと少し煙のようなフィルターがかかって、本当に素敵です。何度聴いても飽きないです。

どこにも卸してないので直接オーダーのメールをやり取りして届いてみたら、段ボールに白い布テープがぐるぐる巻きのミイラなパッケージ、そして丁寧に手書きされた切り取り線(✂マーク付き)。世界で32本しかないこの素敵なテープを買えたことがすごく嬉しくって、オーナーのMikaさん(たぶんこの方がSunnyさん本人?)に「届いたよー!ありがとう!」って写真を送ったら喜んでくれて、速攻FBにupしていた=) DIYなレーベルだとこうやって直接に感謝の気持ちを伝えることができるから、嬉しいな。

このテープは売り切れてしまっているけど、bandcampで聴けるし、これからのリリースにもぜひ注目してほしい、highly recommend な存在です。