2010-11-13

frances the mute


ここ最近ずっとP・オースターの小説を読んでいて、つい先日「孤独の発明/記憶の書」(初期に発表した小説というより、散文に近い作品)を読了しました。その「記憶の書」に、ギリシャ神話のカッサンドラの言葉が引用される部分があるんですが、読みながら思い出したのがthe mars voltaの"cassandra geminni"でした。

正直、私の中で「アフロのお兄さんたち」への熱意は以前ほどなくて過去の音になりつつあるんですが・・・ 今年の夏からマーズのネタをやり取りすることがぽつぽつあって、妙にしみじみと考えてしまう。特につい最近発覚した「ある事」には興奮してしまいました!

「記憶の書」を読了してから、久しぶりに"frances the mute"を集中して聴いたら、あの頃に見た景色や感情や色んなものが蘇ってきて胸がいっぱいになった。初めてのフジロックへ向かうバスの中から見た景色(真夜中のSAのオレンジに光る街灯と異常な静けさ)、雨に震えながらオマーのmy babyが積み上げられるのを見て興奮したこと、何度も何度も最後の音で我に返ったこと・・・ 

記憶というものは、目には見えないけど確実な絆を残す。熱狂していたあの頃と、私が今立っている地点とはすごく距離が離れてしまったけれど、大好きで愛してる気持ちは変わらないまま。そしてあの時にたくさんのモノを共有した方々との繋がり(もちろんマーズの彼らとシンクロした繋がり) はずーっと続く。それをオースターの作品ではっきりと肯定されたような気がして、涙が出ました。オマーに教えてもらった「変化を恐れないこと」、セドリックに教えてもらった「前に進まなきゃ」ということ。記憶という絆を通して、改めてその意味を感じています。

・・・久しぶりにいっぱいthe mars voltaのアルバム聴いたけど、かっこいい、そしてたくさんのモノが胸に去来して涙が止まらない。やっぱり私の人生の要所要所を押さえてる、この人たち。

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