京都のドローン作家Nobuto SudaさまによるレーベルIndication Records。これまで3つの作品がリリースされています。それぞれ違うコンセプトで作られていて、どれもが極上のアンビエントドローン。100枚限定のCDR作品です。
01.Lonely voice in the bottom of the head は、宮沢賢治の書簡集にインスパイアされて制作されたもの。雪が降りそうな曇り空からうっすらと光を見るような浮遊感と、冷たい空気が染み込んでくるような透明感に包まれて、体が真っ白に塗られていくよう。ゆんわりと漂う音にどんどん吸い込まれて、空に溶け込んでいきそうな気持ちになります。
02.Blurred は、テープループとアコースティック楽器が溶け合ったアンビエント。石を洗う音が使われているそうです。カセット独特の高音が削られた質感、少しくぐもったフィルターがかかっていたり、ギターが心地よく鳴っていたり、そこにたくさん込められている音の数々。それぞれが美しく合わさっていて、静かに、心地よく、音のドームに包まれます。
03. Scenes of oblivion and quiet は、”音を正確に聴きとれることの内にリスニングの不自由さを感じ、音の情報量を減らすことでリスニングをストレスから解放すること”を目的に制作されたもの。とても細かく刻まれた素材がコラージュされて微妙に揺れて、吹雪の中で音を聴いているような、でも温かさが感じられて、心地よくもふしぎな波が揺れていきます。
どれも制作の解説を見ると、原型を留めてないのでは?と思う、素材を繊細に重ねて重ねて、作られているみたいです。どれも本当に素敵な作品です。家の中はもちろん、今みたいな冬の時期、朝に景色を見ながら聴くと、うっとりします。実験的だけど感動します。たくさんの方の耳に触れてほしい音です。
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